鍼灸治療がなぜ効くのか、そのメカニズムは長年わかりませんでした。すでに数千年以上の膨大な臨床データが蓄積されているため、実証として裏付けのある医療体系と言えますが、鍼灸治療を根本的に解明する研究はあまりおこなわれていませんでした。手法はわかっても、なぜその結果が出るかはよくわからなかったというのが事実です。ただこれも近年変わりつつあり、WHOやアメリカの機関が注目を始めたことからも、基礎研究がどんどん進められています。治療法にはエビデンス=根拠が必要ですが、鍼灸治療のエビデンスも徐々に揃ってきました。経穴の刺激で効果が見られるのは、神経系や内分泌系、免疫系など体内の複雑な系統です。得られる効果は血流の改善や内臓機能の正常化、鎮痛作用などで、本来持っている免疫力が整い活発に働くようになるため、あるべき健康な姿を取り戻すことがわかっています。何事もなければ健康で元気にいられるはず、その状態に自然治癒力で立ち戻ることができる治療法なのです。